ダチュラとは? 朝鮮朝顔

ダチュラ【datura】
学名:Datura(ダチュラ、ダツラ)
和名:朝鮮朝顔(チョウセンアサガオ)
俗名:キチガイナスビ、曼荼羅華(まんだらげ)
花言葉:愛敬・偽りの魅力・変装


 ナス科 ダチュラ属 ダチュラ。インド原産。一年草。高さ1メートル程度。大きなラッパ状の白い花を咲かせ、見た目は派手。花の長さは約15センチ。夕方より開花しはじめ、強いジャコウのような芳香を放つ。園芸品種があり、花色も白、黄、紫など。大きくなり毎年花を咲かせる。「木立朝鮮朝顔(英名:エンゼルストランペット)」「ダチュラ・ノワール」「ダチュラ・ノワール」というのもある。
 全草(根・茎・葉・花・種子などすべての部位)に幻覚性のアルカロイドを含む有毒植物。モルヒネのような直接的な鎮痛効果はないが、痛覚が鈍くなる為、麻酔薬や喘息薬として知られる。江戸時代の外科医、華岡青洲は、ダチュラを主成分とする内服全身麻酔薬「通仙散」を完成させ、日本最初の全身麻酔による乳癌摘出手術に成功した。しかしダチュラは猛毒なので、素人はくれぐれも注意が必要。間違えてダチュラを口にした人が病院に運ばれた等、年に何件もダチュラ中毒事故が起きている。
 ドラッグ界では「魔王」として有名。そうとうな、せん妄状態になる。全ての妄想が行動として表われてしまう。つまり理性がなくなった獣のような状態。意志の疎通も、しゃべる事もろくにできなくなり、まさに「キチガイ」の状態である。効果に強い幻覚作用があるが、アシッドのようなやわらかい幻覚ではなく、とてもカルトチックな幻覚体験である。『ものが綺麗に見える、世の美を感じる』などという幻覚はなく、どちらかというと『核爆発の真ん中』って表現がお似合いだろうか? ちなみに一日以上トブ事もあり、記憶も無いので気をつけて。
 北米インディアン「ズーニー族」の伝説では、昔、男の子と女の子が遊びに出かけた時に、神々が会議している所を見つけた。二人の子供は好奇心から会議場の回りをうろついて観察した。二人は家に帰ると、母親に会議の様子を細かく報告した。神々は二人の子供の好奇心とおしゃべりを怒り、二人をダチュラに変えてしまった。それ以来、人々はダチュラを食べると、自分達が見たことについてしゃべり続けてしまうようになったという。
 ヨーロッパでは、魔女がサバト(魔女の集会)に行く際に、ダチュラを乾燥させたものを香炉に入れて燃やして、その煙を浴びて幻覚にふけったといわれる。
 また、オウム真理教も「ダツラ実験」といって、オウム信者の洗脳に使っていたという説も。